在沖縄米軍、2週間ごと無作為にPCR検査 専門家「米軍態勢は評価できる」


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 在沖米軍は新型コロナウイルス感染症対策として、異動に伴う検査に加え、駐留している米軍関係者から無作為に選んでPCR検査を実施している。群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春医師は「米軍の検査態勢は評価できる。県内の参考事例として見習うことも必要だ」と指摘した。県は全軍での無作為検査を把握しておらず、担当者は情報を収集する考えを示した。

 無作為検査は2週間ごとで、在沖米軍全関係者の1%、医療関係者の10%が対象となる。嘉手納基地の空軍は6月から他の部隊に先立って無作為検査を取り入れていた。海兵隊は今月21日から始めた。海軍と陸軍の導入時期は不明だが、海兵隊によると在沖米軍全体で取り組んでいる。

 異動で沖縄に入る米軍関係者は米本国を出る際に検査を受け、到着後に2週間隔離されて解除前に検査で陰性が確認されなければならない。そのほか、症状がある人全員や部隊展開・演習に参加した兵士、手術を受ける人、感染した人の濃厚接触者を検査している。

 7月ごろに米軍基地内でクラスター(感染者集団)が発生し、陽性者数が急増した。9月まで減少し続け、県に伝えられる米軍関係の感染者数は現在、0か1人で推移している。陽性例は沖縄に入って隔離中に検査で確認される場合が多い。

 徳田医師は「沖縄入りする人全員を検査し、無作為の定期検査を全てPCRで実施しているのは評価できる」と述べ、県内では歓楽街や病院、高齢者施設、空港での検査を充実させることを求めた。