【アメリカ】米西部で発生の山火事は拡大一途 外に出ると黒煙覆い、森林は炎が包む


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
我が家から見えた空や太陽の色=9月9日午前7時半、カリフォルニア州チノヒルズ

 9月9日朝6時半に起床すると、7時になってもリビングルームに差し込む朝日が弱々しいことに気づいて、外へ出てみた。なんと周辺は一面どす黒い煙に包まれ、太陽が黄色く見えた。家に入ってテレビのニュースで確かめると、アメリカ西部カリフォルニア州のかなりの地域で、森林地帯が炎に包まれているとのことだった。

 私の住まいはサンゲーブリエル山脈地帯で、エンジェルス国立公園森林地帯が燃え始めていたのだ。私は至る所を車で走り回ってみた。昼食は車の中で済ませたが、ランチに灰が入り込んできたのには閉口した。

 南カリフォルニア一帯は地中海沿岸気候と呼ばれ、夏場には一切雨が降らない。それは3月上旬から10月までの期間となる。そのため一帯は乾燥していて、気温は40度に達し、サンタアナ風が吹きあれるのだ。タバコの吸い殻や車のバックファイヤー、キャンプファイヤーの不始末などで引火したら、手に負えなくなってしまい、原因究明が難航するのが現状だ。

 CNNテレビによると、9月14日時点で10州の約90カ所で大規模火災が継続しており、カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの3州で少なくとも35人が命を落とした。米西部で拡大する山火事が11月の大統領選の、争点の一つに浮上してきたと時事通信は伝えた。トランプ大統領は民主党が政権を握る、地元当局の山林管理を問題視する。対する民主党のバイデン前副大統領は、気候変動による気温上昇と乾燥が被害拡大の一因だと主張し、トランプ政権の無策ぶりを非難した。

 この記事を書いている9月21日現在、火事は鎮火していない。失われた家屋や人命、農業関係などの被害状況は計り知れないのが現状だ。
 (当銘貞夫ロサンゼルス通信員)