カーレースF4 平良、第2・第3戦で連続頂点 競り合う展開 冷静にライン取り


カーレースF4 平良、第2・第3戦で連続頂点 競り合う展開 冷静にライン取り
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カーレースF4 第2、3戦

 4輪カーレース「フォーミュラ4」(FIA―F4)の今季第1~3戦が3、4の両日、静岡県の富士スピードウェイ(1周4563メートル)で行われ、平良響(コザ高―愛知東邦大、TGR―DC RS トムススピリットF4)が第2戦、第3戦と続けて優勝を飾った。昨季から県勢初のF4レーサーとして参戦を続ける平良だが、表彰台の頂点に立つのは初めて。第1戦は3位だった。約30台が出走するレースは14周で競い、平良のタイムは第1戦から順に30分33秒920、24分45秒707、24分54秒097だった。

 F4は例年春に開幕し、昨季は半年ほどをかけて全14戦を行ったが、今年は新型コロナウイルスの影響で開幕が延期となっていた。今季は2カ月間で全12戦を行う短期決戦となり、順位ごとに付与される総合ポイントで年間王者を決める。

平良響

参戦2年目 優勝つかむ

 夜中に降った雨の影響で周辺が霧に包まれた4日朝、32台が出走した第3戦の幕が開けた。平良響は4番手スタート。湿りの残る路面をものともせず、2周目で早速トップに立つ。ここから接近戦が始まった。

 後続に迫られ、上位4台が1秒差内で競り合う展開に。ここで脳裏をよぎったのは、残り3周でトップから陥落した第1戦の記憶だ。「1戦目は焦りでライン取りをミスした。できるだけバックミラーを見ないで前を向いた」。冷静さを失わず、結局一度も抜かれずにゴール。第2戦からの連続優勝に「めっちゃうれしい」と声を弾ませた。

 フォーミュラカーでのレースは昨年11月以来。負担の大きい首や体幹をジムで徹底的に鍛え、今年5月には自宅にレース仕様のシミュレーターを導入。コロナ禍でもできることに取り組み「元々スピードはあったけど、昨年よりメンタルが落ちず、走りに集中できるようになった」という。

 見据えるのは年間王者、そして一つ上のカテゴリー「F3」への挑戦だ。参戦の可否は所属チームが判断するため、結果を残して実力を示す必要がある。「残り試合を全勝し、チームに力を認めさせたい」。精神面、身体ともに熟度を増した気鋭レーサーが目標へとひた走る。

[用語] フォーミュラ4(FIA―F4)
 ドライバーと車輪がむき出しになったフォーミュラカーを使ったレースで、トップをF1とするクラス区分の一つ。世界自動車連盟(FIA)が上級クラスのF3につながる入門カテゴリーとして提唱し、国内では若い才能を輩出する「モータースポーツの甲子園」として2015年に開始。全国のサーキットを転戦しながらシリーズを行うため、多くのレース関係者やファンに実力をアピールできる。