「通級指導教室」通う小中学生1966人 中学、約10年で39倍 国、2026年度までに教員増 沖縄


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 沖縄県内の公立小中学校に設置されている通級指導教室に通う児童生徒数は2020年5月1日現在、小学校で1497人、中学校で469人の計1966人であることが分かった。9月30日の県議会9月定例会の一般質問で、当山勝利氏(沖縄・平和)の質問に金城弘昌県教育長が答えた。文部科学省が実施する「通級による指導実施状況調査」によると、10年度は小学校で468人、中学校で12人となっており、約10年間で小学校で3・2倍、中学校で39倍に増加した。

 県教育庁県立学校課は「特別支援教育が認知され始めた16年度から通級指導教室の設置が増えた」と説明した。さまざまな障がいの児童生徒を受け入れることで、人数も大幅に伸びたという。

 通級指導教室では、障がいのある児童生徒などが通常学級に在籍しながら、放課後や授業時間を活用して、障がいに応じた指導を週1~2時間受ける。対象は視覚、聴覚、肢体不自由・病弱、言語、自閉症、情緒、学習、注意欠陥・多動性の八つ。教室は障がいの種類ごとに開設する。

 実施形態は児童生徒が在籍する学校で指導を受ける「自校通級」と他校の通級に通う「他校通級」、通級の担当教員が各学校を回って指導する「巡回指導」の3種類がある。

 国は各学校の在籍人数に応じて教員の配分を決めており、現在は生徒19人に教員1人としている。26年度までに生徒13人に教員1人とするために、教員数を段階的に増員している。通級指導を必要とする児童生徒が在籍する学校が、担当教員を確保できれば自校通級が可能となる。開設できない場合、近隣校の通級指導教室か巡回指導を活用する。