プロ見据え武者修行 大城雄一郎(南星中-小林西高)照喜名洸希(金武中-小林西高)(5)< 期待の星 >


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(左)強肩を強みに長打力を誇る、宮崎・小林西の大城雄一郎内野手 (右)最速146キロの直球を武器に、プロに挑戦する宮崎・小林西の照喜名洸希投手(いずれも小林西高提供)

 聖地、阪神甲子園球場の土を踏むことを夢見て、15歳で郷里を離れた2人がいる。宮崎・小林西の大城雄一郎内野手と照喜名洸希投手だ。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、甲子園につながる夏の地区大会は中止に。それでも、満員の球場でプレーすることを諦められず、プロの道への挑戦を決意した。

 打撃が自慢の大城は昨年夏の全国選手権大会宮崎県予選で打率4割3分を記録し、強肩と広角に打ち分ける器用さを併せ持つ。1年時からベンチ入りし、昨秋から中軸としてバットで貢献した。「常にコンパクトに打つことを意識している」。高校通算12本塁打の数字が、その実力を物語る。

 最速146キロの直球を放つ照喜名は、2種類のスライダーにスプリット、チェンジアップも投げられる技巧派だ。宮崎県で独自に行われた県夏季大会は、日章学園戦で七回から登板。冬に磨いてきたスライダーを中心に3イニングを被安打1の6奪三振、無失点で好投した。

 ドラフト会議まで緊張は解けないようで「早く結果が出てほしい」と口をそろえる。プロ入りも見据え、大城は「今から木製バットを使った練習をしている」と振り込みを欠かさない。どんな打球にも対応できる、鉄壁の守備を実現するため「足を生かし、守備範囲を広くしようと心掛けている」という。

 一方、照喜名は「自分が今やるべきことをやるだけ」と前を向く。投球フォームや上下連動した体の動きなど細かく修正を加え、理想の投球を追い求める。「(会議で名前が)呼ばれるならどこへでも覚悟を持って行く」。不退転の決意で当日を迎える。

(上江洲真梨子)


 

大城雄一郎

 おおしろ・ゆういちろう 2002年11月8日生、南風原町出身。169センチ、74キロの右投げ左打ち。翔南小(喜屋武フェニックス)―南星中出。4人きょうだいの長男。

照喜名洸希

 てるきな・こうき 2003年3月17日生まれ、金武町出身。180センチ、84キロの右投げ右打ち。金武小(金武ビクトリーキッズ)―金武中出。小学2年から野球を始め高校から投手。