沖縄の観光発展へ OCVBとISCOが連携協定 ビッグデータの活用、IT人材の育成


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包括連携協定を結ぶ沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長(左)と沖縄ITイノベーション戦略センターの稲垣純一理事長(右)=20日、県庁

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)と沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO、稲垣純一理事長)は20日、県庁で包括連携、協力に関する協定を締結した。観光産業の振興に向けたITの利活用や、観光情報のオープンデータ化による観光振興などについて連携を進めていく。観光客の動きなどのビッグデータを観光事業者が活用しやすいように、各事業者のデータ形式を統一しデータ流通基盤を構築することや、観光IT人材の育成などを進めていく。リゾートとIT技術を掛け合わせて全産業の発展につなげる「リゾテック」の実現を目指す。

 県内の観光事業者には中小企業が多く、デジタル化の取り組みには差が生じているが、連携によって全体的なIT利活用を進める底上げと同時に、最先端技術の導入も進めていくという。

 下地会長は、新型コロナウイルス感染症によって、非接触サービスのニーズは急激に高まっていると指摘した。「デジタル化は観光客の満足度向上と、観光産業の生産性向上に不可欠だ。質の高い観光地を目指す上で、今後はデジタルホスピタリティーの強化が必要になる」と話した。

 稲垣理事長は「観光とITは沖縄の2大リーディング産業だ。代表する機関の連携で、リゾテックを実現させて沖縄の全産業の発展をけん引したい」と話した。

 10月29日~11月1日には、観光とITを掛け合わせたさまざまな最新サービスを紹介する「リゾテックオキナワ おきなわ国際IT見本市2020」が宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれる。展示や商談会のほか、星野リゾートの星野佳路代表らがリモート出演するシンポジウム、台湾政府デジタル担当大臣のオードリー・タン氏と玉城デニー知事のオンライン対談などを通し、未来の沖縄の姿を提示する。