新首里杜構想「暮らしと観光両立」など5項目 県が来年度に整備計画


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新・首里杜構想について議論する委員たち=28日、那覇市の県立図書館

 県の「首里城復興基本計画に関する有識者懇談会」の第2回新・首里杜(すいむい)構想検討部会が28日、那覇市の県立図書館で開かれた。首里城周辺のまちづくりの将来像を示す新たな首里杜構想の方針案が示された。構想の実現に向け、具体的な施策を盛り込んだ首里杜地区整備基本計画(仮称)を2021年度に策定する予定であることも明らかにした。

 首里杜構想は、県が1986年にまとめた首里城公園整備計画調査などの中で首里のまちづくりの方向性を示したもので、首里城再建に伴い、県は新たな構想の策定を進めている。新構想は長期的なビジョンだが、県が2020年度に策定する首里城復興基本計画は約10年の期間を想定している。そのため、復興計画には新構想の中で優先すべき施策を反映させる予定だ。

 新構想の方針案は(1)首里城および外苑(がいえん)の文化資源を保存・整備する(2)交通対策により暮らしと観光が両立した歩行者中心のまちづくりを進める(3)行政と住民、有識者などが連携して取り組みを進める―などの5項目。首里城と周辺の街を一体的に捉える現構想の視点を受け継ぎ、住民参加や住環境の視点などを加えた。

 第3回部会は12月ごろに開催する予定。新首里杜構想の対象期間や、首里城復興基本計画に反映させる優先施策などを議論する。