エビ伝染病、大宜味養殖海域で調査 県、近縁種を採取


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
道具を手に、調査用のエビを採取する県の職員ら=30日未明、大宜味村の塩屋湾内

 大宜味村内のバナメイエビ養殖場で甲殻類の伝染病「急性肝膵臓壊死(すいぞうえし)症(AHPND)」が発生した問題で、県は10月31日未明、養殖場周辺海域の調査を開始し、塩屋湾の3地点で県職員らがクルマエビ科や近縁種のエビを採取した。県水産海洋技術センターが採取した個体の肝臓と膵臓のPCR検査を行い、AHPNDに感染したエビがいないかどうかを確認する。

 検査結果が出るまで1週間以上かかる見込み。県は今後も同様の海域調査を複数回予定している。

 同養殖場では大量に死んだエビからAHPNDの感染が判明した後に、未消毒の排水が一時期、海に流れていたことが判明した。しかし農林水産省の専門家会議は、AHPNDが発生している可能性は低いとの結論をまとめている。

 県水産課の担当者は「県も国の認識と一緒だ」とした上で「これからクルマエビの出荷がピークを迎える。その前に調査を実施することで、養殖事業者や消費者の安心につなげたい」と説明した。