「肝っ玉母さんに感謝」 97歳カジマヤ-、規模縮小し家族で祝福 糸満市


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カジマヤーを迎えた金城富子さん(前列中央)と、お祝いに駆け付けた家族ら=10月24日、糸満市

 【糸満】7女2男の子どもを育てた金城富子さん(95)=糸満市=が数え97歳のカジマヤーを迎え、10月24日に家族らが集まって祝福した。当初は一カ所に集まっての祝宴は中止する予定だったが「コロナ禍で暗い雰囲気だからこそ、家族みんなを一生懸命育ててくれた肝っ玉母さんに感謝を伝えよう」と、規模を縮小して実行した。金城さんは「とてもありがたいし、元気をもらった。まだまだ長生きできる」と満面の笑みを浮かべた。

 金城さんは伊平屋村出身。その後、大東島に移り、15歳の頃、県外での生活に憧れて単身で横浜へ移住した。映写技師の仕事などをして暮らしていたが、やがて始まった戦争から逃れるため、再び伊平屋に戻った。

 兵隊として中国に渡り、足を負傷して家族で伊平屋に疎開していた金城参次郎さん(享年75)と出会い、結婚。後に参次郎さんの出身地糸満で生活し始めた。

 金城さんは横浜での経験を生かし、当時あった映画館「楽天地」で再び映写技師をしたり、飲食店を経営したりした。

 金城さんは「あの時はアメリカ人から買った品を那覇で売ったり、とにかく必死だった。それでも元気に生きていられたのは、健康で家族に恵まれたから」と当時を振り返った。次女の比嘉桂子さん(70)は「強くて厳しくて、活動的な母の背中を見て育った。とても誇りに思う」と、金城さんに感謝を伝えた。