首里城再建に思いはせ 3年ぶりに古式行列、中城御殿跡で旗頭も


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多数の参観者らでにぎわった琉球王朝祭り首里「古式行列」=3日午前、那覇市の首里城公園(ジャン松元撮影)

 雨天に続き、首里城火災で昨年まで2年連続で中止となった「琉球王朝祭り首里」の古式行列。今年も新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれたが、3年ぶりに行われた。首里城公園にはマスク姿の県民、観光客など多くの人々が来場。経済、観光の回復や首里城再建などに思いをはせた。

 古式行列は「琉球王朝祭り首里」の前身「首里文化祭」で1978年に始まり、首里振興会が開催を重ねて地元に根付いてきた。

 この日の首里城はかつてのにぎわいを取り戻したように人でいっぱいに。首里石嶺町から訪れた公務員の新垣博也さん(36)は妻の絵理さん(39)、陽(よう)大(だい)ちゃん(6)、惺(せい)大(だい)ちゃん(2)、琴(こう)月(づき)ちゃん(1)の家族5人で行列を楽しんだ。博也さんは「家族で来たのは初めて。首里城は火災に遭ったけど、再建していることを話したい」と子どもたちを見つめた。

(上)多数の参観者らでにぎわった琉球王朝祭り首里「古式行列」=3日、那覇市の首里城公園(ジャン松元撮影)(下)首里城の再建を願い旗頭の演舞を披露する首里平良町青年会=3日、那覇市首里大中町の中城御殿跡

 きらびやかな衣装に身を包む行列の参加者は憧れの的にもなっている。那覇市長田の知念範紺琉舞道場に通う具志川中2年の藤原聖(きよら)さん(14)=うるま市=は「琉球の歴史を学べた。将来は王妃になりたい。身長が160センチないといけないのでもう少しかな」と笑った。

 今年の同祭りは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため規模を縮小し、旗頭などは中止となった。ただ、那覇市首里大中町の中城御殿跡では「首里城復興イベント」が催され、首里平良町青年会や同当蔵町青年会が再建を願い、旗頭の演舞を披露した。

 首里平良町青年会の上原和史会長は「首里城の再建を願って臨んだので、例年よりも高いモチベーションで取り組んだ。演舞を見た人たちも一緒に前を向いてほしい」と話した。