「琉球人の遺骨 返還を」 市民団体が国連に声明提出 研究利用を批判


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 1928~29年に旧帝国大学の研究者によって沖縄から持ち出された遺骨が返還されていない問題で、返還運動に取り組む「ニライカナイぬ会」は4日までに、国連の「先住民族の権利に関する専門家機構」に遺骨返還を訴える声明を提出した。スイス・ジュネーブの国連欧州本部で12月1日に開かれる会合で、ニライカナイぬ会の松島泰勝龍谷大教授がスピーチする。

 声明は市民外交センターと共同で提出した。遺骨を保管する京都大学が沖縄側に返還していないことや、台湾大学が遺骨を返還したものの再風葬を拒否したことを「先住民族の権利に関する国連宣言」第12条(宗教的伝統と慣習の権利、遺骨の返還)に反していると指摘。その上で研究機関が遺骨を持ち去り、保管し、研究に利用することを批判した。新型コロナウイルス感染症の影響についても、琉球遺骨返還請求訴訟(京都地裁で係争中)で口頭弁論が延期されるなど「国際法で保障された、権利の行使を大きく阻害している」と訴えている。