「いつ事故が起きてもおかしくない」 津堅島の米軍降下訓練 最多の10回に住民不安


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パラシュート降下訓練を終えた米兵を乗せ港に戻るボート=4日午後7時38分ごろ、うるま市のホワイトビーチ

 【うるま】うるま市の津堅島訓練場水域で4日夜、米軍のパラシュート降下訓練が実施され、年間最多の10回を記録した。地元住民らは「いつ事故が起きてもおかしくない」「許すべきではない」と反発の声を上げた。

 うるま市島ぐるみ会議の宮城英和事務局長は「日米地位協定がある限り、訓練はどんどんエスカレートするのではないか。米軍は県民の命や生活は守ってくれない」と指摘した。パラシュート降下訓練があるたび、読谷村で1965年、米軍のパラシュート投下訓練で、落下したトレーラーで少女が圧死した事故を思い出すという。本島と津堅島の間で定期船が航行していることを踏まえ「トレーラー落下と似た事故がいつ起きてもおかしくない。怖い」と懸念を示した。

 犠牲者18人、重軽傷者210人が出た、1959年の石川・宮森小米軍ジェット機墜落事故を語り継ぐ「石川・宮森630会」の久高政治会長は「うるま市が再三中止要請しているにもかかわらず、訓練が繰り返されるのは許すべきではない。機体が古くなっているという話もあり、整備不良の問題が出てくる。宮森の事故も整備不良が原因だった。その状態での訓練はいかがなものか」と疑問視した。

 米軍機の不時着や部品落下を経験している、伊計自治会の玉城正則会長は「訓練10回は異常だ。日米安保条約があるせいで、米軍はどこでも訓練ができる状態となっている。日米安保条約そのものを変えない限り訓練は続く。事故が起きれば、沖縄でまた治外法権のような事態が起きる可能性がある」と強調した。