子育てに使えて気持ちを楽にする「アイテム」とは? オンラインでゆんたくサロン


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 本紙で連載する漫画「ひなとかのんのおひさま日記」作者の森山和泉さんと福祉のプロたちが、一般の参加者と子育ての泣き笑いを語り合う「凸凹ゆんたくサロン」(凸凹ゆんたくサロン、琉球新報社共催)は10月31日、第2回目となる10月会「森山和泉さんに聞いてみようの巻」をオンラインで開いた。「子どもが時間を守れない」「食事で気を付けることは」といった参加者の声に答えながら「子どもの対応に使える『アイテム』があれば、子育てが楽になる」とこつを話した。

「体験を表現することで落ち着いた」と話す森山和泉さん
「体の状態にも目を向けて」と話す山城健児さん
ファシリテーターを務めた坂本将吏さん

 長く若者支援に関わる坂本将吏さんが参加者からの事前メールや現場でのチャット投稿を読み上げ、森山さん、放課後等デイサービスIMUA(沖縄市)の山城健児さんと掛け合いをしながら進めた。

 森山さんは支援者など周囲への説明として発達障がいのある娘たちの日常を漫画に描き始めた。「体験を表現することで気持ちが落ち着いた」とし「丸に目を書いた顔に吹き出しを付けるだけでもいい」と気持ちを表現することを勧めた。

 コロナ禍で学校のスケジュールが過密になる中、発達障がいがある子どもたちは設定された時間に合わせて動くのが難しいことがあるという。森山さんは「ふざけや反抗ではなく、独自の時間軸を持っていることがある」とし「『今すぐやれ』ではなく『あなたにはこの時間が必要なんだよね』と認めた上で『みんなは今これをやっているよ』と情報の橋渡しをするのが大切」と話した。山城さんは「発達障がいのためかむ力が弱くて食事に時間がかかるといった子もいる。かむ力をどう育てるかと視野を広げると大人側にもゆとりが出る」と指摘した。

 砂糖の摂取など食品について「調理には気を遣って白砂糖を使わないが、お菓子は目をつぶって食べさせている」と森山さん。山城さんは「甘い飲み物など砂糖の摂取と気持ちの安定度は関係しているように見えるが1人1人異なる。自分の子どもはどうか試してみて」と話した。

 しんどくなったり感情的になったりすることも多い子育てだが「“奈良の鹿”は神様の使い」として「あなたに『なら』できる」「あなたに『しか』できない」と表現を変えることでうまく行くことも多いと森山さん。「使えるアイテムがあれば子育てが楽になり、自分の気持ちも引き上げられる」と対応方法のパターンを増やすことを重視した。

 次回は同じメンバーで「『発達と身体』山城健児さんに聞いてみようの巻」を12月5日に開く。申し込みは12月3日までにhttps://bit.ly/3jLFvnvから。問い合わせはメールdekobokoyuntaku@gmail.com