八重瀬町・安里区の年中行事や祭祀、沖国大生が調査 住民や町に報告書を寄贈


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安里区の年中行事や産業、衣食住などをまとめた報告書を区に寄贈する沖縄国際大学の学生ら=4日、八重瀬町安里の安里公民館

 【八重瀬】八重瀬町安里区(仲間盛三区長)の年中行事や祭祀(さいし)などについてフィールドワークをした沖縄国際大学の学生らが4日、安里公民館を訪れ、調査の報告書を区民に寄贈した。

 フィールドワークを実施したのは沖国大総合文化学部社会文化学科の学生15人。昨年9月10日から17日の8日間、安里区内を回り、区の風習や衣食住、戦前から現代までの産業の移り変わりなどを区民に聞き取り、報告書「みんぞく第31号」にまとめた。

 仲間区長と下門康雄前区長は「区の伝統行事や門中など詳細にまとめられていてとても助かる。区の貴重な資料として残したい」と喜んだ。

 調査に参加した沖国大4年の大湾蓮理煙(れんりえん)さん(22)は「100歳になる女性から戦前、戦中、戦後の聞き取りをした。沖縄戦では死んでもいいと思いながら必死で逃げた話をし、戦後生き延びて良かったという言葉を聞いて、胸が揺さぶられた」と語る。

 同大非常勤講師の城間義勝指導教員は「区民一人一人のライフヒストリーを聞き取ることでより詳細な資料を残すことができた」と話した。

 報告書は八重瀬町立具志頭歴史民俗資料館や町教育委員会の町史編さん係などにも寄贈する。