公民館に誕生した「ポストポスト部」 手紙、絵、写真…何でも投函OK→部員が返信します


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手で「P」の形を作り、投函を呼び掛けるポストポスト部の部員ら=6日、那覇市若狭の若狭公民館

 沖縄県那覇市の若狭公民館はこのほど、館内の専用ポストに投函(とうかん)されたさまざまな物に返信し、コミュニケーションを楽しむ活動「ポストポスト部」を始めた。投函する物は手紙や写真、絵など何でもOK。部員たちが掲示板や開設予定のウェブサイトを通して返信する。宮城潤館長は「新型コロナウイルスの影響で対面のやり取りが難しくなっても、オンライン以外でもみんながコミュニケーションできるようにしたい」と話す。

 ポストポスト部は若狭公民館がアーティストと共につくる社会教育プログラム「アートな部活動」の一つ。アーティストの平良亜弥さんが顧問を務める。誰でも参加でき、部員は13人。毎週、対面やオンラインでミーティングをし、返信の内容などを考える。10月23日に最初の返信を掲示した。

 これまでに届いたのは17通。岡山県の女性からは、裏面が沖縄の風景写真になっている戦前のはがきが届いた。女性の祖父が海軍の実習船に乗っていた頃、寄港地で買ったという。部員たちは、はがきの場所が現在どうなっているのかを撮影し、掲示板などに張り出す予定だ。投函された物の中には「猫にまくより海に撒(ま)け…」という謎の詩や、猫と象が描かれたシュールな絵などもある。

 部員の石垣真由美さんは「『この人は何を思って書いたのだろう』と直接会っていないのに話しているような感覚がする」と話す。当山彩子さんは「手書きの文章や絵には温かさがある」と魅力を語る。顧問の平良さんは「投函された物と返事を一対一ではなく街の人たちで共有し、みんなの興味や関心が広がっていったらいい」と期待した。
 (伊佐尚記)