「SDGs特区」を国に提言 新沖縄振興へ118制度 県推進委が中間報告


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 沖縄県振興推進委員会(委員長・玉城デニー知事)は10日、県庁で会合を開き、2022年度からの開始を目指す新たな沖縄振興特別措置法(沖振法)を見据え、「新たな沖縄振興のための制度提言(中間報告)」を決定した。「沖縄らしいSDGs推進特区」の創設や沖縄科学技術大学院大学(OIST)を核としたスタートアップ企業支援策など計118の制度の新設・拡充を提言している。SDGs推進特区はSDGsに関する取り組みを実施する企業に対し、税の減免措置や財政支援を想定する。県は今後、中間報告を踏まえて市町村や経済団体などから意見を聴取する。内容を精査した上で、20年度末に国へ正式に提言する。

 沖振法は10年ごとの時限法で、現行法は21年度末で期限が切れる。県は22年度からの新たな沖振法制定を国に要請する。沖縄を取り巻く社会経済の変化や県民ニーズの多様化、新型コロナウイルスの感染拡大などを踏まえ、一括交付金などの現行制度の維持を求めつつ、新たな制度提言をまとめる方針だ。一方、財政状況が厳しい国がこれらの制度提言をどこまで採用するのかは不透明だ。

 約10年前の現沖振法制定時にも県は国に49の制度を提言した。今回、提言した制度数が2倍に以上増えたことについて県企画調整課は「行政需要を丁寧に拾い上げているので多くなった。今後、一つ一つ絞り込み、減るかもしれない」などと説明した。

 玉城知事は委員会で「『新しい生活様式』に対応した各種制度や国も推進するSDGsを反映させ、未来を先取りし、日本経済の一端を担うべく、新時代沖縄を展望し得る制度となるよう意識してほしい」と述べた。