お年寄りを守る紙面作りに 読者と新聞委員会 コロナや県内政局などを議論


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新型コロナウイルス関連の報道などについて意見を交わす「読者と新聞委員会」の委員ら=13日、那覇市泉崎の琉球新報社

 琉球新報社は13日、「読者と新聞委員会」(主宰・玻名城泰山社長)の第47回会合を那覇市泉崎の本社で開いた。佐藤学氏(沖縄国際大教授)、知念ウシ氏(むぬかちゃー=ライター)、寺田柾(まさき)氏(元那覇市自治会長会連合会事務局長)、平田大一氏(演出家)の外部有識者の4委員が意見を交わした。

 新型コロナウイルス報道について、知念氏は米軍基地や観光に依存した産業構造を指摘し「沖縄戦を生き抜いたしーじゃ(先輩)は沖縄の宝で、コロナで亡くなっていくのは耐えられない。お年寄りを守ろうという強い思いを共有して紙面作りをお願いしたい」と語った。

 県内政局と辺野古問題を巡っては、安倍晋三首相退陣の記者会見で沖縄問題が質問されなかったことを疑問視する声が上がった。寺田氏は「基地問題は全国の問題。ふがいない記者会見であるならば、取り上げるべきではなかったか」と強調した。佐藤氏はオール沖縄など県内政局について「枠組みはずいぶん変わっているはずだが、それが普段の報道で読み取れない」と注文を付けた。

 戦後75年報道について、平田氏は「繰り返し報道することの大切さを感じた。まだ記事にされていない新しい情報がある」と継続して報道する意義を強調した。