沖縄島南部の高校生らが北部を体験 コロナで海外から変更


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 【八重瀬】南部商業高・やえせ高等支援学校(仲山久美子校長)の2年生9人が1~3日、地域学習「ドリスカッ! for Overseas」で、本島中北部を巡った。県内企業や個人の寄付で企画されたプログラムで、行動力、発信力のある人材育成が目的。海外で研修予定だったが新型コロナウイルスの影響を受け、県内研修に変更した。参加した生徒たちは「自然や人の温かさなど沖縄の良さを改めて感じた」と充実した表情で語った。

楽しそうにカヤックに乗る南部商業高・やえせ高等支援学校の生徒ら=3日、嘉手納町の比謝川

 高校生の学習支援や研修などを手掛けるブルームーンパートナーズ(那覇市)が運営した。1~2日は恩納村で沖縄そば作りやシュノーケリング、ホテル従業員らによる職業講話などを通して、生徒は将来へのイメージを膨らませた。

 最終日の3日は嘉手納町でカヤックに乗り自然環境や平和について学習した。案内人の亀田章さん(62)が読谷方面を指さしながら「米軍上陸地で、沖縄戦が始まった場所だ」と説明すると、生徒らは神妙な表情を浮かべた。南部商の上原亞弓さん(17)は「実際に自分の目で見ると戦争があったんだなと改めて実感した」と語った。

 3日間の研修を振り返り、南部商の東静華さん(17)は「沖縄そば作りとカヤックが楽しかった。興味のあるウエディング業界の話も聞けて良かった」と笑顔を見せた。やえせ高等支援学校から参加した福地剛志さん(17)は「自分から挑戦してみよう」との思いで参加を決めた。研修を振り返り「いつもは苦手なコミュニケーションが取れたり、少し大きな声で話せるようになったりした」と目を輝かせた。将来はパティシエなどに関心があり「今回の経験を生かしていきたい」と語った。

 (照屋大哲)