障がい者宿泊に安心を タピック沖縄が当事者ら体験ツアー 意見生かし運用改善へ


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ユニバーサルモニターツアーに参加した参加者ら=10月28日、南城市佐敷新里のウェルネスリゾート沖縄休暇センター・ユインチホテル南城

 【南城】ウェルネスリゾート沖縄休暇センター・ユインチホテル南城(南城市佐敷新里)を運営するタピック沖縄は、障がい者とその家族が安心して宿泊できるようにと、10月27、28の両日、ハンディキャップの当事者と家族を招いたモニターツアーを開いた。ホテルの宿泊とレジャー施設を実際に体験してもらい、スタッフの対応や施設内の設備の現状などについて聞き取りをした。県肢体不自由児者父母の会連合会の協力を得て、3組の家族が参加した。

 28日、参加者はホテルに宿泊しての感想と評価について、従業員らに伝えた。スタッフについては「とても丁寧だった」などの評価があったほか、部屋の広さやベッド、汚物を捨てるごみ箱などについては課題が挙がった。

 宮城翔さん(36)は「通路や部屋は、車いすがゆったりと通れる広さで良かった。バスルームなど、部屋の中に手すりがあるともっと安心だ」と述べた。下門うみさん(25)は介助者である母の咲子さん(43)を通して語り「リラックスして眠れたが、ベッドがリクライニングできるタイプだと助かる」と伝えた。このほか咲子さんはホテル内のコンセントについて「娘は痰(たん)吸引や食事の際にはハンドミキサーが必要なので、コンセントは欠かせない。コンセントの場所が分かるような案内図などがあれば助かる」と笑顔で話した。

 その後、南城市知念久手堅にある知念海洋レジャーセンターへ行き、グラスボートを体験した。咲子さんは「娘はしゃがむことができないので、持っていた手鏡の反射で見ることができた。グラスボートの天井に鏡を設置すれば美しい魚が見られる」と提案した。

 タピック沖縄の岡市尚士(ひさし)マネジャーは「障がい者や高齢者、介助者がともに楽しめるユニバーサルツーリズムを目指している。今回のモニターツアーで意見の上がった内容をしっかりとくみ取り、運用していきたい」と語った。

(金城実倫)