「ダイナミック」平田大一、30年の集大成 DVD・書籍収録へ公開舞台「コロナ時代に残す」


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アンコールに「ミルクムナリ」を独舞する平田大一=15日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 演出家で南島詩人の平田大一の来年3月に刊行されるDVDと書籍「南人夢想(なんじんゆめ)舞台~南島詩人平田大一の世界」に収録される公開舞台が15日、午後1時と午後6時に那覇市泉崎の琉球新報ホールであった。ゲストにイクマあきらや又吉佑衣、現代版組踊のチーム鬼鷲らを迎え、平田の代表作「ダイナミック琉球」や新曲を披露。約30年間にわたる平田の創作世界を多彩な演目でにぎやかに届けた。昼公演を取材した。 (田中芳)

 幕開けはチーム鬼鷲を迎えて「出発(たびだち)の朝(あした)」を披露した。平田の演出で、音楽を松永太郎、監修を宮本亜門が務めた現代版組踊「大航海レキオス」のテーマ曲。「ハーイヤ!」「ユイサ!」と威勢の良い掛け声で船をこぐ様子を勇ましく踊った。

 前半は平田が銅鑼や横笛、太鼓を操りながら、6演目を独演で披露した。「星」にまつわる想いを作詞した朗読と唄「星のゆりかご」、太鼓の演舞「あまわり浪漫」、「肝高の詩」を勇ましく披露したほか、平田が18歳の頃に作詩した「夏離(ぱかり)」では観客を引き付け拍手喝采となった。「今思っているつらいことやうれしいことを書きとどめてほしい。自分の新しい一歩を踏み出すときの光になる」と語った。

 後半は又吉佑衣(歌三線)を迎え、平田とチーム鬼鷲による「マミドーマ」を披露すると手拍子で盛り上がった。平田と歌手のイクマあきらが制作した琉球海運創立70周年を記念した新曲「船よ疾走(はし)れ!―The HORIZONのテーマ―」をチームHORIZONとにぎやかに届け、最後に出演者全員で「ダイナミック琉球」で楽しませた。アンコールでは平田が「ミルクムナリ」を独演した。

 MCで平田は自身の詩を通した表現活動「南島詩人」での活動が30年を迎えたことを振り返った。「コロナの時代の今、書籍やDVDに残して作品を届けていきたい」と多くの視聴を呼び掛けた。DVDと書籍は一般予約の受付中で来年3月に刊行される。詳細は南人夢想舞台の公式HPで。
 (田中芳)

ゲストにイクマあきら(後列右端)を迎え、新曲「船よ疾走れ!The HORIZONのテーマ」を披露=15日、那覇市泉崎の琉球新報ホール