「性の多様性宣言」全県で実現を ピンクドット沖縄、オンラインで討論


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沖縄の性の多様性の現状を語るピンクドット沖縄の高倉直久代表理事(左端)ら=28日、北中城村のイオンモール沖縄ライカム内「スタジオキタナカ」(動画投稿サイトより)

 【北中城】LGBTQなどの性的マイノリティーを含む全ての人が生きやすい社会を目指すイベント「ピンクドット沖縄2020」が28日、オンラインで開催された。性の多様性の理解を広げる活動団体の紹介や、県や自治体のLGBTQ政策に取り組む関係者の討論を通じ「人権をより広く認める」社会の実現を訴えた。

 同イベントは昨年、那覇市で3千人超が参加したが、今年は新型コロナウイルス感染予防のため、北中城村のイオンモール沖縄ライカム内のスタジオキタナカで初のオンライン開催となった。

 「沖縄のLGBTQ制度」についての討論会には、ピンクドット沖縄・名誉顧問の砂川秀樹さんと琉球大法科大学院の矢野恵美教授が参加した。砂川さんは、宜野湾市議会で性の多様性を尊重する条例案が否決された後に、自身が署名運動を起こしたことに触れ、「反対の声が上がった時にどう動くかが大切だ」と強調した。矢野教授は条例や制度を求める住民の声に反比例し、議会で否決される現状を説明。「一つの自治体ではなく、県全体で取り組めば広がる」とし、県の「性の多様性を尊重する宣言」の実現を求めた。

 ピンクドット沖縄の高倉直久代表理事は、コロナ禍で「ウェブなど新しい発信の仕方もある。活動を継続し、誰もが生きやすい社会を目指したい」と語った。イベントは、動画投稿サイト・ユーチューブ「ピンクドット沖縄」のチャンネルで視聴することができる。