「経済も大事だし、命も大事」 GoTo継続、沖縄県民は支持と不安


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人もまばらな繁華街・美崎町=30日、石垣市

 政府が運用見直しを表明した需要喚起策「Go Toキャンペーン」について、沖縄県は30日に継続の方針を決めた。外食産業は書き入れ時の忘新年会シーズンに入り、航空業界は年末年始の帰省ラッシュを目前に控える。県民からは経済活性化のため支持する声が上がる一方、感染リスクの高まりを不安視する声も広がる。

 年末が迫り、那覇市の中心市街地は昼夜を問わず人出が増え始めた。稲嶺義勝さん(83)=那覇市=は「経済活性化も大事だし、命を守ることも大事だ。継続か中止のどちらが正しいか判断は難しい」と吐露する。今後、感染者が増えれば時短営業や休業要請なども予想される。「休業手当などを国や県が負担して、財政難にならないか心配だ」と不安視する。

 那覇市の新都心で買い物をしていた伊佐麗子さん(65)=那覇市=は、県内感染者数の増加や医療現場の負担増を懸念する。「人の移動が増える時期のGo To継続には不安が残る。今は県民みんなが我慢して、感染者を出さないことを優先する時期だ」と強調した。

 人気観光地の石垣市。個室を設けるなど店舗の感染防止対策をしたという、同市美崎町の飲食店店主、洲鎌秀成さん(38)は「石垣島(の感染状況)は落ち着いているので、以前ほどの不安はない」と説明する。Go Toキャンペーンの継続に「コロナと付き合っていかなければいけないので、観光客も来てもらえるならありがたい」と話した。