「安心半分、心配半分」 沖縄のGoTo継続、経済界の反応は?


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 沖縄県は30日、新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底した上で、「Go To トラベル」と「Go To イート」を継続する方針を発表した。事業継続を求めてきた経済界は県の方針を歓迎しながらも、「これ以上拡大すれば死活問題になる」と、改めて対策の徹底に気を引き締めた。

 県は、県外からの感染事例が少ないことなどから、トラベル事業の対象地域から沖縄を除外することは政府に求めないとした。県ホテル旅館生活衛生同業組合の宮里一郎理事長は、継続方針に「安心半分、心配半分だ」と話す。年末年始の予約は徐々に回復傾向にあるが、全国的な感染拡大に気をもんでいる。「明日がどうなるかも分からない状況だが、観光立県として万全の注意をして迎えていくしかない」と話した。

 県ホテル協会の平良朝敬会長は「継続を非常に歓迎する。対策をしっかり取りながら観光客を受け入れていきたい」と話した。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の下地芳郎会長は「観光客への注意喚起や、観光業界にも感染防止対策を徹底していく。今後は観光業界と行政、医療界を含めた対策会議も必要だ」と述べた。

 イート事業は、プレミアム付き食事券の販売が24日時点で5億4千万円以上に上っている。店舗数も申請中を含め2千店舗を超えて事業効果が見込まれることや、県として既に4人以下、2時間以内の利用を店舗側に要請していることなどから継続と判断した。

 県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長は「飲食店はここで安心したら大間違いだ。感染者が増えれば、時短営業の要請がまた出るかもしれない」と警戒を呼び掛ける。グループの予約が入った時に、4人以下に分割することなどを客に伝えて理解を得るなど、対策を浸透させていくと話した。

 一方で、会食を通じた感染拡大が目立っており、県はGo To イートを継続としながらも、テークアウトやデリバリーの活用を呼び掛けていく。これに対し、那覇市内の居酒屋店主は「容器や人手をどうするかなど、準備が必要になる。現実的には、少人数の客で回転を上げていくしかない」と話した。

 県社交飲食業生活衛生同業組合の川上直也専務理事は「もう一度休業要請が出れば、多くの店が持ちこたえられない。店側としては、店内でマスクを外している客に強く言いづらい部分がある。県が周知を徹底して意識の底上げを図ってほしい」と語った。