「人的被害の可能性あった」 緊急着陸のJAL機、元機長が指摘


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那覇空港に緊急着陸したJAL機=4日

 日本航空(JAL)機が那覇空港に緊急着陸したトラブルについて、同社が7日、エンジン前方のファンブレード(羽根)の一部が破損し、それがエンジンカバーの脱落につながったとの見解を示した。元JAL機長で航空評論家の杉江弘氏によると、航空機のエンジンはファンブレードの破損などで内部に異常な圧力がかかった場合、爆発や火災を防ぐためにカバー部分を飛び散らせる構造になっているという。

 杉江氏は類似例として2018年4月の米サウスウエスト航空機のエンジン爆発事故を挙げる。米ニューヨーク発ダラス行きの便が飛行中、左エンジンのファンブレードに疲労亀裂が生じて破損。カバーが外れ、飛び散った破片が窓ガラスを割って乗客1人が死亡した。

 杉江氏は今回のトラブルについて「カバーが飛んで機体の一部と水平尾翼に傷がついたとみられるが、人的被害が出る可能性もあったということだ」と話した。そもそもファンブレードが破損した原因については「亀裂を点検整備で見逃したということだろう」と述べた。