日銀短観、沖縄の景況13ポイント上昇 改善も4期連続でマイナス


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 日本銀行那覇支店(一上響支店長)は14日、12月期の県内企業短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス19だった。4期連続のマイナスだが、マイナス幅は前回(9月)調査に比べて13ポイント改善した。

 政府の需要喚起策「Go To」キャンペーンによる観光客数の回復などが要因とみられ、改善幅の大きさは2013年12月調査以来、7年ぶりの水準となった。

 同支店は「業況の水準は厳しい状況が続いているが、持ち直しの動きがみられる」との見解を示している。産業別では製造業で観光客向けの土産用食料品需要があり、前回比20ポイント改善のマイナス8だった。

 非製造業は、巣ごもり消費の需要が続き、卸売りで前回調査比20ポイント改善、情報通信業で同12ポイント改善した。

 雇用が「過剰」とした企業の割合から「不足」とした企業を差し引いた、雇用人員判断はマイナス12の「不足」超だった。「不足」と回答した企業の割合は前回調査比で6ポイント増加した。新卒採用計画は20年度入社予測が前年度比12・9%減、21年度入社予測が同22・0%減だった。

 業況の先行きは全産業でマイナス17だった。一上支店長は「感染症の影響緩和を期待する声が大きく聞かれた一方で、感染の再拡大を受けて下方修正する企業も見られた。足元の全国的な感染再拡大の影響が、(今回の調査に)まだ十分に反映されていない点は注意が必要だ」と述べた。