那覇、嘉手納が子ども医療費を現物給付へ 4市町も前向き 窓口負担、市町村で違い


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努

 子どもの医療費助成について、那覇市と嘉手納町が医療機関の窓口で立て替え払いの必要がない「現物給付」への変更を予定していることが18日までに、琉球新報の調査で分かった。豊見城市、久米島町、与那原町、金武町が変更を前向きに検討している。県内41市町村に文書や電話で調査した。県は2022年から、通院費の助成対象を就学前から中学卒業までに拡大することで市町村と合意した。 

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 子どもの医療費を現物給付にするか、窓口での立て替えが必要な「償還」払いにするかは市町村の判断となる。窓口負担の有無に関して、市町村で対応が異なっている。

 現在、中学生や高校生を対象に現物給付しているのは17市町村で、22年度以降も引き続き「現物給付をする」と回答した。現物給付ではなく、償還払いをしている24市町村のうち、那覇市は22年度から、嘉手納町は21年度から現物給付に「変更する」と回答した。豊見城市などは、現物給付への変更を前向きに「検討している」と回答した。

 沖縄市や浦添市、恩納村などは、現物給付への変更について「現時点で予定なし」「未定」などと回答した。理由として、小学生以上に現物給付をした場合、国から国民健康保険の国庫負担金が減額される「ペナルティー」が課されることなどを挙げた。

 子どもの医療費の助成事業は実施主体が市町村で、事業費は県と市町村が折半する。現在の対象は通院費が就学前まで、入院費は中学卒業まで。市町村によっては独自に小学生以上に助成している。

 窓口での立て替え払い後の償還方式には、健康保険証と受給資格者証(自動償還)を提示して支払えば自動的に振り込まれる「自動償還」と、領収証などを役所に送る手続きが必要な「償還払い」がある。

 県は中学卒業までの通院費助成について原則、自動償還方式としている。一方で「市町村の意向が最も重要だ」として、自治体の判断を尊重する考えを示している。