1000人も原告が増えた普天間「ここにある危機」 爆音訴訟、第3次4182人に


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 【宜野湾】「屈せず三度、静かな日々を」―。米軍普天間飛行場周辺の騒音被害救済を訴え、米軍機の飛行差し止めと損害賠償を求める普天間爆音訴訟団が19日、3回目の闘いに向け立ち上がった。昼夜を問わない騒音や落下物の危険性に脅かされる子育て世代や戦争体験者ら、0歳から90代までの原告4182人が安全で安心な暮らしを取り戻すため、声を上げる。

第3次普天間爆音訴訟団の設立集会で、勝訴を目指し拳を突き上げる原告ら=19日、宜野湾市大山の宜野湾マリン支援センター

 2017年12月には市野嵩の緑ヶ丘保育園で米軍部品が落下し、市新城の普天間第二小では米軍ヘリの窓が落下、19年6月には浦添市当山の浦西中にゴム片が落下し、住民に衝撃を与えた。原告数が2次提訴時より約千人も増えた背景には、繰り返される事故を受け、住民の危機感がより強まったことがあるとみられる。

 訴訟団の玉元一恵事務局長は、原告増加について「子育て世代が増えていると感じている」と語る。3次の原告4182人のうち、新規参加は2439人で約6割を占める。年代別では40代が589人で最多、20歳未満の子どもは911人で、子育て世代の参加が全体数を押し上げたとみられる。

 訴訟団が11月までに実施した書類受け付け会場には、小さな子どもの手を引いて来場する母親らの姿もあった。初めて訴訟に加わる子育て世代の人々は、本紙の取材に「米軍ヘリに今まで慣れすぎていたが、子どもたちに同じような思いをさせたくない」「緑ヶ丘や普天間第二小での事故があり、基地をどうにかできないかと思って参加した」などと答えた。

 コロナ禍で訴訟団は大規模な説明会などはできなかったが、感染対策を取り、93日にわたって小規模開催してきた。訴訟団は来年3月に追加提訴も予定している。1、2月に説明会と受け付けを分散して開催する。