沖縄観光に次ぐリーディング産業強化を 県アジア戦略委が知事に15項目を提言


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玉城デニー知事(右)に提言書を手渡す県アジア経済戦略構想推進・検証委員会の安里昌利委員長(左)=21日、県庁

 アジアの経済発展を取り込み、県経済の成長につなげる県のアジア経済戦略構想について、同構想推進・検証委員会の安里昌利委員長(那覇空港ビルディング社長)と山城博美副委員長(琉球海運会長)が21日、県庁に玉城デニー知事を訪ね、提言書を手渡した。新型コロナウイルス感染症などの外的要因によるリスクを最小化するために、観光産業に次ぐ第2、第3のリーディング産業強化を図ることなど、15項目を提言した。

 同委員会は6~11月に計3回の会合で提言をまとめた。本年度は新型コロナウイルスへの対応策などをテーマに意見交換した。

 提言では「安全・安心の島沖縄モデル」の実現を目指す取り組みとして、官民共同の基金創設などによるPCR検査の拡大、空港や港湾への簡易検査機器導入など水際対策の強化などを盛り込んだ。

 短期的な戦略として、県内事業者の事業継続、雇用の維持を図るための支援や行政版事業継続計画の策定、観光客誘致促進、越境電子商取引(EC)への出店支援、県内事業者のデジタルリテラシー向上支援などを求めた。

 中長期的な取り組みとして、航空便が減少した際など緊急時の農林水産物物流ルートの確保、国内外からのワーケーション誘致に向けたインフラ整備などデジタル化の促進を提言した。

 国家戦略特区による規制緩和や、スーパーシティ構想などを活用した企業誘致の促進といった知事を先頭にした戦略的な取り組みを進めることも求めた。

 玉城知事は「観光に次ぐリーディング産業の強化は、40~50年後を見据えてどのような分野で芽出しをして橋渡しをしていくか、非常に重要な提言を受けた。アジアのダイナミズムと連動し、経済の早期回復と成長に取り組んでいきたい」と話した。