男女の「~べき」から自由になろう…新垣教授がジェンダー講座 豊見城


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ジェンダーについて講演する新垣誠教授(中央奥)=19日、豊見城市役所

 【豊見城】豊見城市は19日、男女共同参画社会について市民に広く知ってもらおうと「ジェンダーって!?~皆で支え合う社会を目指して~」と題した市民講座を市役所で開いた。沖縄キリスト教学院大教授の新垣誠さんが講師を務め、約10人の市民らが参加した。

 講演の冒頭で新垣さんは「社会の中で男女の違いをつくり出しているのがジェンダーだ」と説明。社会が男女を分けて「こうある“べき”」と決めることが「ジェンダー規範」だとし、この「~べき」が多くの人を苦しめていると強調した。

 「頭で分かっていてもなかなか身体が動かない。私たちはこの規範に縛られて生きている。規範は差別で、規範から自由にならないといけない。憲法には幸福追求権も男女平等も制定されている」と述べた。

 よりよい社会を目指す上で「性差を理由とした差別や偏見をなくすことが大事だ」と訴え、「全ての政策の意思決定の過程に、ジェンダーの視点を入れることによってみんなが生きやすい社会になる」と語り掛けた。

 参加した金城光浩さん(26)=会社員=は「生後6カ月の長女がいるが、今日の朝もピンクの服を着せてきた。潜在的に『女の子は…』と考えている自分がいると気付いた。性別によらず、子どもの個性を尊重するようにしたい。ジェンダーの本質を学べた。参加して良かった」と述べた。