日本銀行那覇支店(一上響支店長)は8日、県内金融経済概況(主要指標2020年11月)を発表し、県内景気を「引き続き厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる。ただし、足元では感染症の再拡大の影響がみられている」と判断した。前月の判断を据え置いたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う「GoToトラベル」の一時停止など、直近の状況を踏まえ「再拡大の影響がみられている」の文言を追加した。
11月は事業者から「持ち直している」との声が聞かれていたが、12月や年末年始は宿泊予約のキャンセルが急増しているという意見も寄せられたという。
一上支店長は「沖縄は元々観光依存度が高い。観光は首都圏の感染状況や、GoToトラベルの開始や停止に影響を受け、振れ幅が大きい」と指摘。先行きについて「緊急事態宣言の下で、感染症が収束していくのか。政策がどうなるのかが当面のポイントだ」とし、感染症の行方を注視する考えを示した。
【消費】19年11月は消費税増税に伴う需要の減少があり、20年11月はその反動増により全項目で前年を上回った。百貨店・スーパー売上高(全店舗)は前年比0.8%増、家電大型専門店販売額は同29.1%増。
【観光】20年11月の入域観光客数は前年比52.3%減だが、マイナス幅は前月より縮小。主要ホテル稼働率も前月比7.2ポイント上昇の51.6%だった。一方で、12月以降はGoTo停止の影響を受ける見通し。
【建設】公共工事保証請負額は前年比12.0%減となったが、年度累計では前年を上回って推移している。着工建築物床面積(非居住用)は同9.1%減、新設住宅着工戸数は同23.7%減となった。