【政党ジェンダー調査】政治に男女比割り当てるクオータ制とは 世界130カ国が導入


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 クオータ制とは国会や地方議会などの議員選挙で、候補者や議席の一定割合を男女に割り当てる制度を指す。世界約130カ国が導入しているクオータ制は(1)議席割当制(2)法的候補者クオータ制(3)政党による自発的クオータ制―の3種類がある。

 アジアで女性国会議員の比率が41・6%と最も高い台湾は、90年代から地方議会で25%、比例代表で15%の議席を女性に充てているほか、政党が自発的にクオータ制を導入している。

 フランスは2000年パリテ法を制定。同法は各政党に対し、男女同数50%ずつの候補者擁立を義務付けている。同法制定時の下院に占める女性議員の比率は10・9%から20年間で39・5%へ大幅に増えた。

 韓国は2000年、比例代表候補者に占める女性議員の比率を30%とするクオータ制を導入した。04年には比率を50%、対象を国政選挙まで拡大し、女性議員の比率は5・9%から13・0%へ急激に高まった。一方、小選挙区では立候補者の30%以上に女性を充てる努力義務が順守されず、現在、下院に占める女性議員の比率は19・0%と伸び悩んでいる。

 オーストラリアは1994年に労働党が女性議員の比率35%を目指す自発的クオータ制を取り入れた。現在は25年までに女性議員の比率50%を目指して取り組んでいる。現在、下院に占める労働党女性議員は41・2%に上る一方、クオータ制を導入していない自由党・国民党連合は19・5%にとどまっている。