神の島・久高島古来の文化「ガンシナしめ縄」 作り手はイザイホーに参加経験のある島民11人


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「ガンシナ注連七縄」作りに励む島の神事を担う高齢者ら=南城市知念久高

 【久高島=南城】南城市知念久高島では、お年寄りらがガンシナを模したしめ縄(「ガンシナ注連七縄(しめなわ)」)を製作している。ガンシナとはバーキ(竹のかご)などの荷物を頭に載せて運ぶ際、荷物と頭の間に挟む輪型の敷物のこと。作り手は久高島で12年に1度開かれ、1978年を最後に途絶えている伝統神事イザイホーに参加したことのある島の人たちだ。

 12月17日には80~90代の高齢者11人が、丹精込めてしめ縄を作った。久高島古来の知恵と技術を次世代へと継承する「結回(ゆいまある)の会」(西銘喜久会長)が主催している。島では女性たちが毎日水をくむ際にガンシナを利用していた。

完成した「ガンシナ注連七縄」

 材料は島に自生するクマタケラン、マカヤ、レモングラスなどで、わら状にして束ねる。その後久高島産の麦穂やフボウ(クバ)の葉で編んだ花などを飾り付け、仕上げる。毎年国内外に向けてネットで販売している。

 しめ縄作りに参加した内間待壱さん(88)は「みんなと世間話をしながらしめ縄を作るのはとても幸せだ」と笑顔で語った。古堅苗副会長は「島の神事を司(つかさど)る方々が作ったしめ縄。世界の平和や命の尊さ、感謝が込められている」と語った。しめ縄作りは旧正月まで行われるが、販売はすでに終了している。

(金城実倫)