休業か夜8時までか ライブハウス、キャバクラ、酒販店の選択は


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有料ライブ配信に向けてリハーサルするライブハウス「ゴールドディスク」=21日、那覇市松山

 午後8時までの営業終了を要請されるスナック、ライブハウスなどの遊興施設は、期間中の休業を選択する店舗が多い。

 那覇市松山の繁華街は人出が少なく、コロナ禍以前の活気は影を潜めた。22日から休業するというキャバクラ店の男性は「常連客には、会社から『松山には行くな』と言われている人も多い。これ以上店を開けても仕方ない」と力なく話した。県は、酒類の提供を午後7時までとするよう要請している。「7時までに飲み終わるなんて無理だ。休業を選ぶ店が多いと思う」と話した。

 松山の金城洋酒店は、売り上げの95%は居酒屋やスナックなどの業務用で、緊急事態宣言に伴う影響が大きい。店主の金城知博さんは、約20店の取引先から休業の連絡を受けていると話し「酒販店には補償がないので厳しい。困っているところに目を向けてほしい」と訴えた。

 昨年12月下旬から休業を続けているライブハウス「ゴールドディスク」は、22日から週末の有料ライブ配信を始める。21日はリハーサルで、映像や音響を確認した。運営するJAILHOUSEの山畑奈枝子専務は「全て手作りで、どの程度見てもらえるかの不安はあるが、目標がないと心が折れそうになる。安全安心を最優先にして、前に進むしかない」と話した。

 沖縄市社交飲食業組合の小浜千代子組合長によると、市上地の中の町社交街などは元々午後8時以降に開店する店舗も多く、時短要請を受けて多くが休業する見通しという。

 組合事務所には数日前から問い合わせの電話がひっきりなしだといい、小浜組合長は「確定申告の前で相談が多い時期に、緊急事態宣言が重なってパニック状態だ。組合員はかなり不安を抱えている」と語る。17日間で1店舗当たり68万円の協力金について「時短や休業をしても家賃は発生する。従業員を抱える店は人件費もあり、苦しい。さらに手厚い支援があればありがたい」と語った。