久高さん「闘牛女子。3」出版へ 生前撮影の写真101枚 牛への愛情たっぷり


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久高幸枝さんの写真集「闘牛女子。3」が出版されるのを喜ぶ妹の彩さん(右)と編集した喜納えりかさん=1月19日、那覇市与儀のボーダーインク

 【うるま】闘牛写真家として活躍し、昨年5月に45歳の若さで亡くなった久高幸枝さんの写真集「闘牛女子。3」が2月20日、ボーダーインク(那覇市)から出版されることが決まった。「1」から編集してきたボーダーインクの喜納えりかさんは「久高さんの生きざまが表れている写真集だ。ぜひ手に取ってほしい」と呼び掛けた。

 価格は税抜き1500円で初版は千部。同社のホームページで予約受け付けが始まっている。久高さんが生前撮影した101枚が収められている。迫力ある闘牛大会の写真や牛主らの集合写真などがあり、闘牛と牛に対する愛情が凝縮した1冊となった。

 持病を抱えていた久高さんは「自分の身にいつ何があってもおかしくない」と考えていたという。遺言のほか、写真集に使ってもらおうと写真のデータが入ったUSBメモリーを残していた。妹の彩さんとは写真集の構想について話し合っていた。喜納さんに宛てた手紙もあり、出版への意欲が書かれていた。「久高さんの願いをかなえたかった」と語る喜納さんは出版に向け、編集作業に取り掛かった。

写真集「闘牛女子。3」の表紙

 後書きで久高さんは「これまでたくさんの牛と出会い、お別れしてきました。全ての牛さんに感謝し日々を過ごしています」とつづっている。彩さんも「姉の夢は、闘牛という文化があることを誇り、より良い環境を整え全国に発信していくことでした」との文章を寄せた。お笑い芸人の知念だしんいちろうさんら生前交流があった人々も、推薦の言葉を送っている。

 出版日の2月20日は久高さんの母・初枝さんの誕生日でもある。彩さんは「姉の活動を支えてくれた全ての人へ感謝の気持ちを伝えたい。牛に対し、全身全霊で向き合ってきた姉の写真を見てほしい」と語った。写真集の問い合わせはボーダーインク(電話)098(835)2777(平日午前10時~午後6時半)。