3選・松本氏の勝因は? 知名度や2期の実績、セット戦術…<浦添市長選>


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当選を確実にし、報道陣の取材に応じる松本哲治氏=7日午後11時24分ごろ、浦添市伊祖の選対本部

 7日の浦添市長選で3選を果たした松本哲治氏は現職の知名度と実績に加え、相手陣営より早く昨年9月に出馬を表明したことで序盤から戦いを有利に進めた。昨年8月には那覇軍港の代替施設を北側に配置する現行案の受け入れを表明した。自民、公明両党や経済界が全面的に支援できる環境が整ったことが奏功した。

 市長選と同日に投開票される市議選には松本氏を支持する候補者が19人出馬した。相手候補を支持する市議選候補者5人を数で大きく上回り、セット戦術を効果的に進めた。

 松本氏は「市民党」を打ち出したが、告示直前から本格的に自民県議らが応援に入った。組織力を生かして基礎票を固め、激しく追う相手候補から逃げ切った。

 伊礼悠記氏は所属していた共産党籍離脱を巡る政党間の対立により出馬表明が遅れたことが響き、課題だった知名度不足を克服できなかった。さらに、「オール沖縄」内で那覇軍港を巡る意見の相違により市選出県議や市議選候補の一部が静観したことも影響した。前回市議選で上位当選だった共産、社民の現職2氏が出馬を辞退したことで、市議選とのセット戦術の効果も限定的となった。
 (伊佐尚記)