【記者解説】女性議員へのハラスメントはなぜ起こる?<市町村議員ジェンダー意識調査>


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 県内の女性市町村議員を対象にしたアンケートでは、回答者の約4分の1がセクハラや性差別、性別による不当な扱いを受けたことがあると答えた。男女問わず有権者の中に「女性に何ができるか」という男尊女卑の古い考え方があり、女性議員に対しての性別役割分業の押し付けが根強いことが明らかになった。

 選挙中に直面したハードルには、「知名度の向上」「選挙資金」「後援会などの人員体制」「地盤づくり」が挙がった。「地盤・看板・かばん」が、女性の出馬にとっても大きな課題であることが浮き彫りになった。

 セクハラなどの具体事例では、高齢の男性有権者から体を触られ威圧された被害や、性的で悪質な匿名電話やSNSの書き込みなど、女性の安全や人権が脅かされる事例もあった。

 市町村議員は地域に密着して活動しているだけに、特定されるのを恐れ、実際にはセクハラを経験したことがあるが、「ない」と答えた人も少なからずいたと推察される。票の力を振りかざす有権者など、選挙を巡るハラスメント行為、いわゆる「票ハラ」の被害を受けたことがある女性も一定数、いると思われる。

 当選後も、男性議員による酒席のセクハラを受けた事例も複数あった。女性候補者や女性議員を増やすためには、ハラスメントを許さない環境づくりやルール作りが必要だ。

(座波幸代)