【識者談話】家父長制的強い沖縄、女性議員の役割大きい 沖縄女性財団・垣花みち子事務局長


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垣花みち子氏

 沖縄は地縁・血縁が強く、小規模な離島でも、親戚内で議員の候補者を決める話し合いの場で決定権を持つのは男性になる。そういった家父長制的な側面が強い中で女性が「私が出る」と手を挙げても周囲に止められ、立候補は難しい。

 女性議員の中には選挙に向けた後援会づくりや供託金をどうにか工面したという苦労話も多く、「地盤・看板・かばん」も大きな壁になっている。

 2015年に実施したアンケート調査では、女性議員のいない議会では女性問題に関する質疑が出ない傾向があることが分かった。県議会や国会になると女性議員であっても政党的な立場は強くなる。女性の問題や地域の課題を女性の視点で取り上げる上でも、市町村の女性議員の役割は大きい。

 議会に女性議員が1人いればいいという話ではない。1人ゆえにセクハラに遭う事例も聞く。女性参画を進めるために(候補者などの一定数を女性に割り当てる)「クオータ制」の導入は必要だ。

 議会だけでなく、行政の中から動くことも一つの手だ。座間味村は女性の副村長が村政運営に励んでいる。選挙がなくても、実績があれば女性の存在がいかに重要かが地域住民に伝わる。
 (おきなわ女性財団事務局長)