やんばるの森「年輪が見えるペン」 三線の端材を活用 沖縄・国頭で販売


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制作された手作りの木製ボールペン

 【国頭】沖縄県国頭村内で通常の三線の型から、ヤンバルクイナや、やんばる区域の地図をかたどったチラ(天)、カラクイ(範)など個性あふれる三線づくりをしている「工房あしび三線ZEN」の知花善光さん(67)=村辺土名=は、1年ほど前から「木製ボールペン」作りを始め、160本を制作した。ペンは道の駅ゆいゆい国頭で販売されている。

 ボールペンに使用した木の材料は、県材のユシギ、チャーギ、ソーシジュ、アカギ、フクギ、イタジィ、サクラや輸入材のコクタンなどで、三線づくりで余った端材などを大事に保管していた。

 工法は、2センチ四角で長さ5センチの材料を7ミリ~8ミリ程度にドリルでくりぬき、丸く棒状になったものを加工して制作。細かな作業が要求され、精巧な作りとなっている。

 知花さんは、木の切れ目の年輪を見てひらめき「くりぬいたらいろんな年輪を見せることができるのではないか」と思いついたと言う。知花さんは、三線のほか、かんざし、万年筆、耳飾り、三線の爪などの小物、プリントTシャツなどの作品を制作している。

 「商品には愛着がある。やんばる北部地域3村が世界自然遺産登録に向け動いているところであり、今後も貴重な資源を大事にして作品づくりに取り組んでいきたい。他の職人たちもそうであってほしい」と話した。
 (新城高仁通信員)