難関の全商簿記1級に南風原高3年の太田さんが合格「一生分勉強した」


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合格証書を手にする太田夢々さん=2月24日、南風原町の南風原高校

 南風原高校普通科教養ビジネスコース3年の太田夢々(むむ)さん(18)が1月、全国商業高校協会が主催する簿記実務検定(全商簿記)の1級に合格した。検定1級の合格率は約20%前後で、商業高校の生徒でも難関とされる。同校から1級の合格者が出るのは11年ぶり。太田さんは4月から沖縄国際大学に進学し、商業の教諭を目指して勉学に励む。

 税理士になるため、普通科目と商業科目が学べる同コースに入学した。高2の11月から学校の授業と部活、アルバイトを続け、休日や放課後に簿記の勉強をした。「友達に勉強を教えるのが好きだ」と考えるようになり、商業の教諭が目標となった。

 同コースでは1、2年で情報処理、3年で簿記の授業がある。商業科目は週2回程度のため、全商簿記の3級でも合格が難しいとされる。そんな中、太田さんは全国商業高校協会主催の珠算・電卓実務検定1級、商業経済検定2級マーケティングなど、六つの資格を取得した。

 全商簿記1級では製造業で用いられる簿記「原価計算」と、会社の会計処理に関する「会計」の2科目に合格する必要がある。太田さんは昨年6月の試験で「原価計算」、1月の試験で「会計」をクリアして、1級の合格をつかんだ。

 太田さんは高校3年間を「一生分勉強したんじゃないかって思うくらい勉強した」と振り返る。大学でも新たな資格の取得を目指しており、これからも挑戦を続けるつもりだ。
 (吉原玖美子)