那覇空港の陥没対策に砕石層など設置へ 技術検討委が決定


社会
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 那覇空港の第1滑走路と第2滑走路を結ぶ連結誘導道路の緑地帯で、防砂シートが劣化し、埋め立て材の海砂が流出して陥没や空洞が発生した問題で、沖縄総合事務局は2日、第2回技術検討委員会(委員長・池田龍彦放送大副学長)を開き、対策工法を決定した。

 誘導路には劣化した防砂シートの上に砕石層を設置し、緑地帯はセメント系の改良材で地盤を固め、埋め立て材の流出を食い止める。空港の運用に支障が生じないよう、管理者と調整の上、着工する。施工計画は来月の委員会で決める予定。

 陥没や空洞は計8カ所で繰り返し発生している。

 試験結果によると、アルカリ性の環境下で防砂シートが加水分解し、強度低下につながった可能性が高いという。一方、試験では純水でも126日後には手で引き裂けるほど劣化した。

 製品開発時の耐久性試験ではアルカリ溶液による耐性の低下は見られなかった。委員会は今後も劣化の原因究明を続ける。

 池田委員長は「空洞や陥没の発生に驚いた。100%の完成度を持った形でできなかったのは残念」と述べ、モニタリングと対策を講じれば、空港運用に問題はないとの認識を示した。