空自泡消火剤、PFOS以外の有機化合物も検出 「経緯の検証を」河村IPP代表


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航空自衛隊那覇基地から飛散した泡消火剤=2月26日、那覇市高良

 航空自衛隊那覇基地から泡消火剤が流出、飛散した事故後、琉球新報が現場近くで採取した泡からはPFOS(ピーフォス)以外の有機フッ素化合物も検出された。有機フッ素化合物全般の規制について国際動向を追っている調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)の河村雅美代表は「その他の有機フッ素化合物については規制が遅れているだけで、安全だと保証できるわけではない。既に有害性が指摘され、国際的な規制も始まっている」と語った。

 有機フッ素化合物は「PFAS(ピーファス)」と総称され、9千種類以上との報告もある。環境中でほとんど分解しない性質から「永遠の化学物質」と呼ばれる。河村氏は「海外の動向を見ると、科学者や環境団体、欧州連合(EU)もひとくくりで規制が必要だと指摘している。PFASの段階的廃止が必要とまで言われている」と指摘した。米国国防権限法案でもPFASを含まない泡消火剤の導入を目指す方針が示されている。

 河村氏によると、特にPFOSの代替物であるPFHxSは今春予定されるストックホルム条約(POPs条約)で、規制対象への追加が予定されている。日本では現在、PFOSとPFOAの合計値のみが規制されているが、県も国際動向を見据え水道水や環境中でPFHxSを測定している。河村氏は「自衛隊は、自身の隊員を守るためにもPFASの危険性や取り扱いについても知識を持って対策する必要がある。飛散した泡の内容や事故原因、発生から広報までの過程を検証し、根拠も確認できる報告書を出すべきだ」と求めた。