沖縄・空自PAC3、嘉手納基地で初訓練 地元の反対よそに


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米軍嘉手納基地の第1ゲートを出る空自の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)=10日午後1時10分、北谷町内

 沖縄県那覇基地の航空自衛隊は10日午前、初めて米軍嘉手納基地内で地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の機動展開訓練を実施した。地元の市と町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(会長・當山宏嘉手納町長)の抗議・要請に反して強行した形だ。

 複数の関係者によると、沖縄県南城市の知念分屯基地に配備しているPAC3を10日に嘉手納基地へ移動させ、展開から撤収までの一連の動作を訓練した。訓練は午前中に終え、午後1時すぎ、嘉手納基地を後にした。

 空自によると、米軍基地内の米軍管理の土地を共同使用にしたが、訓練自体は共同ではなく自衛隊単独の訓練。今後、自衛隊施設以外で行う同様の訓練を全国で展開する方針を示している。

 15日には、那覇基地の南西航空警戒管制団から10両、約20人が参加し、移動式レーダーの展開訓練を実施する予定。

 

◆沖縄県も「住民生活に十分配慮して」と要請

 沖縄県基地対策課の城間敦副参事は10日、沖縄防衛局企画部地方調整課に電話し「地元の理解と協力が得られるよう、丁寧に説明し、訓練実施に当たっては住民生活や安全、安心に十分配慮してほしい」と要請した。「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」の抗議・要請に触れ「県としても、基地の共同使用による訓練の実施で県民の負担増加があってはならないと考えている」と伝えた。