空自泡消火剤流出、保育園土壌を調査へ 那覇市長「市民に不安、事実を確認」


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 航空自衛隊那覇基地から流出した泡消火剤から、有害性が指摘される有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)が検出されたことを受け、那覇市は10日、泡消火剤が飛来した市内の保育園1園で、独自の土壌分析調査を早急に実施することを決めた。城間幹子市長が同日、定例記者会見で明らかにした。市によると、この保育園は流出事故があった2月26日以降、園庭の利用を控えている。

 城間市長は「これまでの説明と報道内容との違いについて自衛隊に事実確認と説明を求めている。市民に不安を与えていることは大変遺憾だ。自衛隊に再発防止と適切な対応を強く要請していく」と述べた。自衛隊は「事実確認も含めて対応を調整している」と回答したという。

 屋比久猛義総務部長は「基本的に自衛隊が対処すべきだが、保育園の運営に支障が出ており保護者が不安を感じているため、自衛隊の対応を待たずに市が調査する。飛散の状況は自衛隊の責任で(調査を)やってほしい」と述べた。

 市は事故当日、自衛隊が有害性を否定したため、泡消火剤を採取しなかった。市環境保全課の担当者は「今後は市が緊急にサンプルを採取し、分析にかけられる体制の構築が必要かと思う」と話し、対応を見直す考えを示した。

泡消火剤が飛来した保育園で土壌分析調査を行うことを明らかにした城間幹子市長=10日、那覇市役所
航空自衛隊那覇基地から飛散した泡消火剤=2月26日、那覇市高良