災害時でも迅速に…救難ヘリ離着陸訓練 友愛医療センターと空自


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離陸する救難ヘリコプターの様子を見守る関係者ら=11日、豊見城市与根の友愛医療センター

 東日本大震災から10年となった11日、豊見城市与根の友愛医療センターと航空自衛隊南西航空方面隊、航空救難団那覇救難隊は、同センターの屋上ヘリポートで、救難ヘリコプターの離着陸訓練を実施した。訓練開始前の午後2時46分には、大震災の犠牲者に祈りをささげた。震災の日に訓練をすることで、防災の意識を高め、緊急時の対応能力の向上を図る。使用されたヘリコプターは那覇救難隊のUH―60J。

 同センターによると、ヘリポートは横21メートル、縦24メートルで県内医療機関では最大級。11トンまで耐えられる設計で、唯一、自衛隊などが運用する大型ヘリの離着陸が可能という。同センターの新崎修院長は「沖縄は島嶼(とうしょ)県のため、離島からの緊急搬送を受け入れる体制を整えることは意義がある」と説明した。災害時には、被災者の受け入れや物資の運搬を想定しているという。

 同センターはこれまでに離島を中心に、ドクターヘリの受け入れを11回行っている。東日本大震災の救護活動に、パイロットとして従事した南西航空方面隊の古澤彰三等空佐は、同センターに自衛隊が搬送できるようになれば「災害時でも迅速な治療が可能になる」と話した。