防衛省 泡消火剤調査へ PFOS含有、空自那覇流出 保育園土壌も独自に


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航空自衛隊那覇基地から流出した泡消火剤を調査する考えを明らかにした岸信夫防衛相=12日、東京都の防衛省

 【東京】岸信夫防衛相は12日の会見で、2月26日に航空自衛隊那覇基地から流出、飛散した泡消火剤に有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)が含まれていたとの本紙報道に関連し、防衛省として回収していた泡消火剤にPFOSが含まれていたかどうかを分析・調査する考えを明らかにした。「調査結果が判明次第、速やかに報告したい」と話し、対応を急ぐ方針を示した。防衛省はまた、泡が飛び入った保育園で回収された土壌の調査を、那覇市とは別に独自に実施する考えも示した。 

 会見で岸氏は、今回の事案について「近隣住民の皆さんに大変なご不安を与えていることを、本当に申し訳なく思う」と述べ、改めて謝罪した。

 防衛省は各施設の泡消火剤を順次PFOSを含まないものに交換を進めており、今回の漏出分は「PFOSを含まない泡消火剤であるとの報告を受けている」と現況を説明した。

 防衛省によると、今回流出した泡と、流れ込んだ水路の水を含めて約6千リットルを回収済みで、両方同時に検査する方針だという。結果が出る時期は未定とした。

 泡消火剤の流出を巡っては、空自那覇基地は当初、「PFOSは含まれていない」と県、那覇市、豊見城市に説明していた。だが琉球新報記者が現地近くから採取した泡を京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)が分析した結果、PFOSが検出された。

 これを受けて那覇市は泡消火剤が飛来した市内の保育園1園で、独自の土壌分析調査を実施している。