花文字「黎明」で卒業生にエール 保護者らが制作 うるま・具志川東中


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子
「黎明」の花文字で卒業生にエールを送る具志川東中学校の教員や保護者ら=5日、うるま市の同校

 【うるま】うるま市の具志川東中学校の卒業式が6日に行われ、計144人の生徒が巣立った。同校では毎年、保護者らが漢字の花文字を制作し、卒業式でお披露目している。今年の花文字は「黎明(れいめい)」。コロナ禍の中、新たな道へと進む卒業生へ向け「君たちがこれから歩く道は前途洋々だ」とエールを送った。

 前日の5日、同校の体育館では教員や保護者らが卒業生を送り出す準備をしていた。舞台前には「黎明」の花文字が掲げられていた。昨年12月、3年生にアンケートを取り、選考の結果、選ばれたのが「黎明」だった。新たな場所で新たな出来事が待っている―そんな意味を込めた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、本年度は学校行事の中止が相次いだ。「コロナ禍でも何かできることはないか」。一つでも楽しい思い出を作ろうと、3年生はミニ体育祭やフリースロー大会を企画し、工夫を凝らしてきた。

 教員や保護者は1年間、その姿を見てきた。「卒業式ではせめて明るく送り出したい」。今年の卒業生は学年カラーが赤。その点をイメージし、保護者らが1週間かけ花文字を形作った。

 保護者の1人、高江洲みゆきさんは「この1年は全部がマイナスなわけではなかった。得たものもあったはずだ。それを糧にして今後も頑張ってほしい」と語った。玉城祥校長は「コロナ禍でも何ができるのか考え、取り組んできたことは大きな財産になる」と話した。卒業式当日の6日、同校の卒業生は「黎明」の文字に見送られ、新たな道へと踏み出した。