沖縄研究の功績を顕彰 東恩納寛惇賞 上原兼善氏、比屋根照夫氏へ贈呈


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東恩納寛惇賞の第37回受賞者の上原兼善氏(右)と第38回受賞者の比屋根照夫氏=19日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 第37回・第38回東恩納寛惇賞(琉球新報社主催、第一書房後援)の合同贈呈式が19日、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれた。第37回受賞者で岡山大名誉教授の上原兼善氏(77)=岡山県=と第38回受賞者で琉球大名誉教授の比屋根照夫氏(81)=浦添市に、琉球新報社の玻名城泰山社長から賞状、賞金、トロフィーが贈られた。

 東恩納寛惇賞は、沖縄を対象とした研究の発展に顕著な業績を挙げた研究者に贈られる。

 上原氏は日本近世史・琉球史が専門。琉球を巡る国際的な政治史や薩摩、琉球、清朝の貿易期に関する先駆的な研究で、島津氏の琉球侵略の全体像を明らかにするなどした。比屋根氏の専門は沖縄近現代思想史、言論史。伊波普猷ら近代沖縄の知識人や戦後沖縄の思想と言論、さらには自由民権運動と沖縄との関係など、幅広い研究テーマで業績を残した。

 贈呈式で上原氏と比屋根氏はスピーチし、それぞれの研究実績や問題意識を語った。玻名城社長は「寛惇賞受賞を機に、一層の活躍を期待する」と功績をたたえた。

 上原氏は琉球大卒業後、宮崎大助教授などを経て、1981年に岡山大教育学部助教授、96年から2010年まで同大教授を務めた。比屋根氏は琉球大卒業後、東京教育大大学院博士課程などを経て、74年に琉球大教養部助教授、81年から2005年まで同大教授を務めた。