夫婦別姓、沖縄県議25人学ぶ 市民団体講師に 利点や課題を質疑


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選択的夫婦別姓について考える勉強会で、県議からの質問に答える選択的夫婦別姓・全国陳情アクションの井田奈穂事務局長(中央)=19日、県議会

 結婚時に夫婦が同姓になるか、別姓でいるかを選べるようにする「選択的夫婦別姓制度」について知ってもらおうと、県内の任意団体が19日、県議を対象に勉強会を開いた。講師を務めた「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」の井田奈穂事務局長は、旧姓使用による弊害を紹介し「イデオロギーの問題ではなく、生活上の困りごと。解決してほしくて、市民に近い地方議員の方々に協力をお願いしている」と訴えた。

 制度の実現を求める県内在住者でつくる「選択的夫婦別姓・陳情アクション沖縄」の主催。同会の共同代表の砂川智江さん(43)=沖縄市=と眞鶴さやかさん(34)=うるま市=も同席し、思いを述べた。与野党合わせて県議25人が参加した。

 概要説明で井田事務局長は「ポイントは別姓か、同姓かではない。選択にするか、強制にするかだ。困っている人に選択肢を与えてほしい」と述べた。同姓を強制することで、改姓する側のキャリアが分断されたり、結婚や離婚、再婚の事実が本人の意思と関係なく周囲に知られたりするなどのデメリットがあると指摘した。

 質疑応答で、新垣淑豊県議(沖縄・自民)が別姓夫婦の場合、子どもの名字がどうなるのかを尋ねた。井田事務局長は、1996年に法制審議会が選択的夫婦別姓の導入を盛り込んだ民法改正案を答申した際、戸籍筆頭者の名字を付けるという内容になっていたとし、「親が子どもの名前を決め、14日以内に出生届を出すという点で、今と変わらない」と説明した。

 玉城健一郎県議(てぃーだネット)は選択制に賛成の立場を示した上で、同姓を強制するメリットが何かを質問した。井田事務局長は「望まない人にまで同姓を強制するメリットは全くないと思う」と応じた。島袋恵祐県議(共産)は、自身の妻が姓をそのままにしたいと希望し、事実婚をしていると語った。