コロナ「武漢が発生源」 自民、党大会配布資料に記述 WHOは起源特定せず


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 【東京】21日に行われた自民党大会で配布された資料には、新型コロナウイルスについて「中国武漢市を発生源とする」との記述があった。
 武漢市はコロナが最初に拡大した都市だが、世界保健機関(WHO)の調査では発生源と特定されなかった。自民党は同じ資料で、2020年の広報活動について「迅速かつ正しい情報の発信・提供に注力した」と記していた。

 配布されたのは、「コロナに打ち克ち希望ある日本へ」と題された115ページにわたる資料。21年の運動方針や所属国会議員の名簿などが記されている。
 20年の党の活動を振り返る「党情報告」の「政策活動」の項目で「中国武漢市を発生源とする新型コロナウイルスの感染が、急激に拡大」と記されていた。また「新型コロナウイルス感染症への対応」を紹介する項目でも「中国武漢市を発生源とする」との表現があった。

 中国・湖北省武漢市では一昨年12月末にコロナ患者が公式に確認された。その後、中国全土に感染が広がり、ウイルスは世界にも拡散した。
 WHOの国際調査団は1月、ウイルスの起源解明のために武漢市で調査を開始。ただ、最初に集団感染が確認された同市内の「華南海鮮卸売市場」での感染経緯を不明とするなど、起源の特定には至らないまま調査を終えていた。

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