海保巡視船で無線を不法使用 取り締まる側なのに…11管へ初の行政指導


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第11管区海上保安本部が入る那覇港湾合同庁舎(資料写真)

 第11管区海上保安本部は23日、中城海上保安部所属巡視船みやこで国の承認を受けていない無線設備を運用したなどとして、電波法違反で文書による行政指導(厳重注意)を総務省沖縄総合通信事務所から受けたと発表した。11管が同法違反で行政指導を受けたのは初めて。

 11管によると、国の承認を受けずに無線の付属装置を設置したことや、指定されていない電波の型式で無線局を運用したことも行政指導の対象になった。同巡視船の乗組員から無線に関する申請状況の問い合わせが11管にあり、未申請で無線機などが使用されていたことが昨年12月に発覚した。その後、11管は違反内容を自己申告し必要な申請をしたという。

 海保は不法無線局を搭載した船舶などを取り締まる立場。11管の葛西正記本部長は「行政指導を真摯(しんし)に受け止め、厳正に対処するとともに再発防止に努めたい」とコメントした。職員が確認不足だった可能性なども視野に11管警備救難部刑事課が未申請だった原因を詳しく調べている。